1.きれいなホームページを作る

 「美術品に接するとき、多くの人々はそれが修復されているか否かなど考えてもみないでしょう。でも、たとえば、世界に冠たる近代以前のコレクションを有するルーブル美術館に展示されている作品は、そのほとんどが修復されているといっても過言ではありません。そこで、みなさんは、画家が描いたままの作品ではなく、修復された作品を見ているのですから、修復は、この壮大な美術館の作品を読み解く重要な鍵であり、修復についての知識なしで、鑑賞は成立しません。つまり、修復は、美術を理解するために避けては通れない基本的な問題です。」(「修復からのメッセージ」森 直義著 ポーラ文化研究所発行 2003年1月20日 第1章 修復を見る P10より抜粋)

 このホームページに使われている写真は、全て、きれいに見せるために、管理人によって何らかの手が加えられている。発掘されたものが発掘されたときの状態のまま博物館や資料館に並ぶということはまずないということと同じだ。このホームページをご覧になっている皆様は、このことを頭においてこのホームページの写真を見ていただきたい。小牧市歴史館に行って篠岡古窯跡群の出土遺物を見てみると、このホームページの写真とは雰囲気が違うことがわかる。小牧市歴史館にある篠岡古窯跡群の遺物が修復されていないことは決してないと思うが、歴史館にある実物とこのホームページの写真とを比較してみて、いろいろ考えることも、このホームページの楽しみ方であると考えている。

 このホームページの「小牧市立光ヶ丘中学校」のページの中の「平成15年度郷土史展示について」の「お盆休みPTA活動室にて」を読んでいただくとわかるが、この時点で、郷土史展示の展示品を実物ではなく、写真にしたということが、このホームページに到る大きな転換点だったと思う。当時は、「責任問題」で、実物をあきらめた私だが、3年後、こうして、自分でサイトを作って、管理してみて、「博物館や資料館に求められているもの」をよく考える。もちろん、博物館や資料館には「学術研究資料」を保管するという目的がある。しかし、もう一方で、同時に「一般の人々に資料を普及する。」という目的も持ち合わせている。一般の人々に資料を普及させることの一つの手段として、「資料をおもしろく見せる。」ことはどうしても必要になってくる。よく、「本物に勝るものはない。」と言われるが、「本物よりおもしろく見せる。」ことが可能であるのが「写真」や「絵」なのである。

 インターネットを見ていると、「バーチャル博物館」がよく見受けられるが、「バーチャル博物館」を作るコツの一つに「写真をきれいで見やすいものにする。」ということがある。写真の修正をしているかしていないかで、そのサイトのアクセス数は大きく変わってくる。これからも、「きれいなホームページを作る。」ということを常に念頭において、このホームページを管理していこうと思っている。